ここの所日銀の利上げ予想をニュースでよくやっています。どうも今月の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる公算が大きいようです。その後も利上げ継続姿勢を維持する見通しだそうです。政策金利が上がると住宅ローンの金利もそれに連れて上がっていきます。
マンションの価格が1憶とか2億とか言ってますが、超富裕層がポケットマネーでポンと買うなら1億でも2億でも良いのですが、多くの人は住宅ローンを借りて毎月一生懸命返していくのです。ですから、1憶とか2億とかいう価格には意味が無く、毎月幾ら払えば買えるかが問題なのです。例えば金利が1%だとすると8000万円を35年ローンで借りると月22万円程の返済となります。これならサラリーマンでも何とかなるので8000万円のマンションなら買えるという事になります。ところが金利が4%になると返済は月35万円となり、ちょっとこれは無理となって8000万円のマンションは売れなくなります。4%と言うのは決して非現実的な数字では無く、各銀行の予測でもこんな感じになっています。
金利4%で月22万円の返済だと、借りれる金額は5000万円位になってしまうので、マンション価格も5000万円位に落ち着いてくるはずです。もちろん4%時代には給料も上がって行くと思うのでそれ程下がらないかも知れませんが、とにかくサラリーマンが買えるマンションの価格は絶対額では無く毎月の返済額で決まるという事です。一方、投資家が買う場合も同じような傾向があり、やはりマンション価格は金利で決まります。ローンで買う場合は当然ローンの金利よりも賃料が高くないといけないので金利が上がれば家賃を上げざるを得ませんが、サラリーマンの払える家賃には限度がありますので、家賃を上げるのではなくマンション価格の方を下げるしかありません。現金で買う投資家の場合でも、マンション投資はリスクがありますから、他のリスクの低い投資よりも高い利回りを得られなければいけません。現在の様に3%程度の利回りでは投資する意味がありません。
要するに、金利が上がって行けば不動産価格は下がって行く傾向にあるのです。逆に言うと、今これだけマンション価格が暴騰しているのは金利が異常に低いためと言えます。早くこの異常な状態から抜け出してもらいたいものです。