株などでは良く狼狽売りと言うものが発生します。何かがきっかけで株の暴落が始まると、このまま放っておくとどんどん価値が減って行ってしまう、と毎日毎日心配になり、後先構わず安値で売ってしまう事を指します。結果的にはほぼ底値で売ってしまい、その後復調してがっかりするパターンです。
ところが、不動産の場合、狼狽買いとでも言うべき逆の状況が何度も起きていて、今まさにそういう状況ではないかと思っています。不動産の場合狼狽売りと言うものはあまり発生しません。自分の住んでいる不動産の価値が下がって来たからと言って、もっと下がるんじゃないかと心配して慌てて安値で売るような事は誰もしません。逆に不動産の価格がどんどん上がっている状況で、このまま買わずにいるともっとどんどん上がって買えなくなってしまうのではないかと心配して、かなりの高値で掴んでしまう事があるのです。今、都内のマンションがまさにその状況です。新築の平均価格が1億円を超えたとか、前年比20%上昇とか騒がれていると、このままでは将来絶対買えなくなると思って、かなり無理なローンを組んで高値掴みしているケースがあります。1億円のマンションは買えないと言う層は、中古で5000万~6000万位なら何とかなると思って買っている様ですが、どう考えても相場より1000万~2000万高い物件が平気で売りに出ています。不動産屋も売り買いがないと商売できませんから、10~20年前に3000万円位で買ったマンションの所有者に、今なら買った値段の1000万~2000万円プラスで売れますよ、と言って売りに出させます。まあ何度も繰り返してきたことですし、どうしようもないのですが、こういう時こそ冷静に判断したいものです。
